開発試験
ハードウェアとソフトウェアの設計概念~運用段階までの妥当性を確認するもの。
早期に問題点を把握しておくことで、認定試験前に再発防止策を講ずる目的がある。
具体的には以下のような各モデルを用意し、設計仕様を固めていくことになる。
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エンジニアリングモデル:電気的設計、機能的設計、製造プロセスを確立するために使用するモデルで、構成的にフライト品と同じで作られる。部品配置や組み立て手順を確認するモックアップとして利用されることも。
使用対象となる試験(EMC試験、機能性能試験)
熱モデル:熱設計を固めるために使用するモデル。
使用対象となる試験(熱真空試験、熱平衡試験)
構造モデル:構造とは不可荷重に耐える役割を持つサブシステムやコンポーンネントのことであり、その構造設計を固めるために使用するモデル。
使用対象となる試験(振動試験、衝撃試験、音響試験)
姿勢制御モデル:姿勢制御の設計を固めるために使用するモデル。
使用対象となる試験(姿勢制御系の機能性能試験)
ブレッドボードモデル:初期段階で、重要な機能性能部分を検討するために汎用部品を用いた簡易モデルであり、宇宙環境に耐える性能は要求されない。
認定試験
DQA方式で見たように、受入試験をする際にフライトモデルを新規製造する必要がある。その前に、設計要求が満足されるマージンが含まれているかを実証する試験である。
認定試験は認定試験用モデル=プロトタイプモデルを使用する。
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設計マージン:例えば50kgの人が座る椅子を作る場合、50kg以上の負荷があることを想定して設計する必要がある。具体的には耐荷重量50kg(安全率2.0)と表記するケースでは、安全使用の範囲は50kgで100kgだと確実に壊れることを意味する。しかし安全率が高ければ良いというわけではなく、それだけ耐荷重量の不確実性が大きいというリスクでもある。
受入試験
開発試験→認定試験で確立された設計により、新規製造されたフライトモデルを使用し、各対象の品目がフライトに値するかどうかを確かめる試験である。
プロトフライト試験
DP方式の説明のように、プロトフライト試験は認定と受入試験を同一の供試体で実施する。設計や製造方法の認定から、フライトに値する受入までを実証する試験である。
射場における確認試験
宇宙機の打ち上げの準備ができたことを確認する試験。
具体的には、射場に搬入後の機能性能を確認する射場搬入後試験、追跡管制との適合性を確認する追跡管制システム適合性試験、そして打上準備作業の3つである。
再試験
設計変更やコンフィギュレーション変更に伴い、それまで実施完了とした試験の有効性を再確認する試験である。設計変更やコンフィギュレーション変更に伴う設計の再認定と、フライト品目を分解→組立に伴うワークマンシップの再確認を実施する。
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コンフィギュレーション:システム自体、またはシステムとコンポーネントの機能関連性における設定のこと
ワークマンシップ:仕上がりや、その仕上がりの技術レベルのこと